【フランスのビズ やり方】職場で毎朝30人とビズしたパリ在住27年が解説
- スーパーエイジ
- 9月21日
- 読了時間: 4分
更新日:9月26日

パリ在住27年の筆者が体験した、フランスの職場における衝撃的な挨拶文化──それが「ビズ(bise)」です。
今回は、フランスのビズのやり方を中心に、実際の体験を交えながら、その背景にある文化や人間関係をご紹介します。
フランスのビズとは?やり方の基本
「ビズ(bise)」とは、フランス式の挨拶で、頬に軽くキスをする動作を指します。
一見ロマンチックにも聞こえますが、実際はごく日常的な行為であり、職場や親戚づきあい、友人関係など、さまざまな場面で交わされます。
フランスのビズのやり方の基本は以下の通りです:
右頬 → 左頬の順に頬を近づける(地域差あり)
実際に唇を頬に当てる人もいれば、音だけの“エアビズ”も存在
ハグは基本なし(南仏ではハグ+ビズもあり)
数は地域によって異なり、パリでは基本的に2回(右・左)ですが、南フランスや地方によっては3回・4回の地域もあります。

毎朝30人とビズした日々
僕が経験した最も極端な例は、パリの高級デパートでの職場です。
当時ハイブランドの販売員として働いていた頃、出勤するたびに「ビズの儀式」が始まっていました。
更衣室で:他ブランドのスタッフ10人とビズ
自ブランドの売り場:同僚3人+上司+本社数人とビズ
隣のブランド:販売員たち数人とビズ
合計30人以上と毎朝ビズを交わすのが、いわば“ルーティン”だったのです。

フランスのビズにある「7段階のやり方」
フランスのビズのやり方には、相手との関係性や個人の性格が色濃く表れます。
あくまで主観ですが、以下のような“ビズの7段階”を経験してきました:
エアビズ(頬は触れず音だけ)
軽く触れる程度
唇がわずかに頬にあたる
しっかり唇が頬にあたる
唇が頬をなでるように動く
キス+ハグ+鼻息まで感じる濃密タイプ
「かわいいね」などの言葉つきビズ(半分ナンパ)
特に地方出身者やラテン系の同僚は、かなり濃いビズをしてくることが多かったです。

正直、ビズしたくない日もある
どんな文化にも「建前」と「本音」があるもの。ビズも例外ではなく、正直「今日は誰にも会いたくない」「この人とはしたくない」と感じることも多々ありました。
例えば:
厚塗りファンデーションが頬につく
香水が強烈
明らかに体調が悪そう(けど言わない)
とはいえ、ビズを拒否すると空気が悪くなり、「あの人、感じ悪い」と思われるリスクもあるのがフランスの現実です。
ビズの落とし穴:「風邪だったの、ごめんね」

ある日、職場の同僚といつも通りビズを交わした直後、彼がこう言いました。
「実は昨日まで風邪で寝込んでたの。でももう平気よ!」
数日後、案の定こちらが体調不良に。このときばかりは「さすがにそれは言ってからビズするべきでは…?」と思わざるを得ませんでした。
コロナ期にビズ文化はどう変わったか?
2020年のパンデミックを機に「ビズの禁止」。
当時、僕はすでに職場を離れていましたが、現場の友人たちによると:
ビズ文化はあっさり自粛
代わりに「肘タッチ」や「口頭での挨拶」に
人間関係がぎこちなくなったとの声も
これまで“当たり前”だった接触がなくなったことで、逆に距離感に戸惑う人も多かったようです。
フランスのビズ文化への本音

フランスのビズのやり方に慣れていても、内心「できればやりたくない」という日があるのも事実です。
実際、コロナ以降にビズを再開したくないというフランス人も少なくありません。
ビズはあくまで「文化的な習慣」であって、誰もが心から楽しんでいるわけではないというのが、僕の実感です。
まとめ:フランスのビズのやり方と“距離感”の文化

フランスのビズのやり方は、単なる形式的な挨拶以上の意味を持ちます。
それは、「相手との関係性」「場の空気」「文化的背景」が複雑に絡み合った人間関係の表現です。
日本人にとっては衝撃的でも、フランス人にとってはごく自然な行動。
文化の違いを知り、理解し、時に戸惑いながらも適応していく──それこそが、異国で生きる醍醐味なのかもしれません。
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