フランスのピザがちょっと違う理由|パリ在住27年が語る“フュージョン”の真実
- スーパーエイジ

- 2025年12月5日
- 読了時間: 4分
パリ在住27年のエイジです。
フランスでピザを食べたことがある方なら、一度はこう思ったことがあるかもしれません。「見た目はおいしそうなのに、なんか違う…?」
ローマやナポリの本場の味を知ってしまうと、フランスのピザにはどこか不思議な“ズレ”を感じます。今回は、そんなフランスのピザ事情を、値段・味・文化の違いを交えてお話しします。
🥖 フランスのピザはなぜこうなる?
フランスのピザ屋さんにも立派な釜を構えたお店があります。でも、イタリアのように薪をたっぷり使う店はほとんどありません。
薪を2本だけ申し訳程度に入れて、あとはガスか電気オーブン。そのため、香ばしい焼き目も、あの薪の香りもありません。
パリの中心部では厨房スペースが狭く、薪を積んでおける場所もないんです。だからフランスでは“本格派ピザ”をうたっていても、実際は設備の限界があるというわけです。
🧊 真空パックのピザ生地
僕の家の近くに「ナポリ風ピザ」と書かれた人気店があります。スタッフもイタリア人、雰囲気も本場っぽい。
でもある日、偶然見てしまいました。店の裏口で、真空パックに入ったピザ生地を運び入れているところを。
生地にはすでに焦げ目がついていて、半焼きの状態。つまり、既製品なんです。
フランスではこの“半焼き生地”を温めて提供するお店がかなり多く、お客さんは「焼きたて」と思って食べています。
確かに、熱々のうちはおいしく感じる。でも、イタリア人が見たらきっと卒倒します(笑)。
🍝 フランスのイタリア料理店はイタリア料理店じゃない?
パリの「Trattoria」「Da Marco」「Cinquecento」などの店に入ると、メニューは一見イタリア語で統一されています。
でも、よく見るとこうです。
Escargots à la Bourguignonne(エスカルゴ・ブルゴーニュ風)
Soupe à l’oignon(オニオングラタンスープ)
Carpaccio di manzo(牛のカルパッチョ)
……どこからどこまでがイタリア?(笑)
さらに衝撃なのが「Scaloppina alla milanese(ミラノ風カツレツ)」の付け合わせ。“spaghetti à la napolitaine(ナポリ風スパゲッティ付き)”と書かれています。
ミラノとナポリ、イタリアの南北がひと皿に共演。まさに文化のフュージョンという名のカオスです。
🍣 フランスのパスタは“わが道を行く”
フランスのカフェで定番のパスタといえば「Tagliatelles au saumon(サーモンのタリアテッレ)」。名前はおしゃれですが、ゆで加減は…はい、完全に茹ですぎ。
パスタがちょねちょね(ぐちゃぐちゃ)になるまで煮込むのがフランス流。これが「わが道を行くパスタ」なんです。
自己主張のあるピザ、自己主張のあるパスタ。ある意味、フランスらしいですよね(笑)。
💶 フランスのピザの値段とサイズ感
パリのピザは平均で1枚15〜20ユーロ(約2,500〜3,200円)。ローマやナポリでは同じ金額で、ピザ+ワイン+デザートが楽しめます。
しかもフランスのピザは少し小ぶりで、生地も厚め。「高いのに満足度が低い」と感じる人も少なくありません。
これは家賃・人件費の高さもありますが、料理よりも雰囲気やインテリア代が含まれているのが実情です。
☀️ フランスのピザで味わう“ありがたい試練”
それでも僕は思うんです。フランスでピザを食べるたびに、「なんて僕はラッキーなんだろう」と。
フランス流のピザを食べることで、味覚がリセットされるんですよね。
そしてローマやナポリに行って本場のピザを食べた瞬間――「ああ、これだ!」と。
その反動で、5倍くらいおいしく感じる(笑)。
つまりフランスのピザは、僕にとってありがたい試練なんです。本場の味を再確認させてくれる、ちょっとした人生の味覚テスト。
🎬 まとめ:文化の違いを楽しもう
フランスのピザは、イタリアのそれとは違います。でも、そこには「フランス人が夢見る理想のイタリア」がある。
つまり、文化の交差点としてのピザなんです。
旅行者の皆さんも、フランスでピザを食べたら、ぜひ“違い”を味わってみてください。そして次にローマへ行ったとき、そのギャップを楽しんでみてください。



